発音がはっきりしない子、読み書きは大丈夫?

発音・構音の発達


「うちの子、まだ発音がはっきりしなくて…」

でも、会話はできている。
先生からも特に何も言われていない。

だからこそ、迷う。

このまま小学生になって、
読み書きは大丈夫なのかな?

そんなご相談を、私は本当によく受けます。


結論:発音が幼い=読み書きが苦手、ではありません

まずお伝えしたいのは、

発音が少し幼いからといって、必ず読み書きが苦手になるわけではない

ということ。

発音の未熟さがあっても、

・文字に興味がある
・音読が好き
・ひらがなを覚えるのが楽しい

そんな子もたくさんいます。

だから、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。


でも、少しだけ見てほしい“ある力”

ここで、ひとつだけ。

大切な視点があります。

発音は、口の動きだけの問題ではありません。

実は、

「音を聞き分ける力」

と深く関係しています。

たとえば、

・「さ」と「しゃ」
・「か」と「た」
・「お」と「ろ」

こうした音の違いを、
はっきり区別できているかどうか。

この力は、専門的には
“音韻意識(おんいんいしき)”と呼ばれます。

そしてこの力こそが、

ひらがなを覚えるときの土台になります。


こんな様子はありませんか?

もし、

・似た音をよく聞き間違える
・言い間違いに自分で気づかない
・ひらがなを覚えるのにとても時間がかかる
・一文字ずつ読むのがつらそう

こんな様子がある場合は、

発音そのものよりも
**「音への意識」**に目を向けてみる時期かもしれません。

でもこれは、

「遅れている」という意味ではありません。

“これから伸ばせるポイントが見えている”

ということです。


小学校で本当に大切になること

小学校に入ると、

話すだけでなく

読む
書く
聞く

が一気につながります。

発音が少し幼くても、

音をしっかり聞き取れていれば、
読み書きはぐんと伸びます。

逆に、

発音がきれいでも、
音を意識する力が弱いと
文字でつまずくことがあります。

だからこそ、

「発音が悪いかどうか」だけではなく、

音をどう感じ取っているか

を見てあげることが大切なのです。


今できる、やさしい土台づくり

特別なトレーニングは必要ありません。

・ことばあそび(しりとり、同じ音さがし)
・ゆっくり音を区切って聞かせる
・「今の音、同じだったね」と気づかせる声かけ

そんな日常の関わりが、

音の意識を育てていきます。


不安になるのは、先を見ているから

「発音がはっきりしないまま小学校へ」

その言葉だけを見ると、不安になりますよね。

でも、

今こうして気にかけていること自体が、
大きな力です。

発音はゴールではありません。

その先にある

読み書きの土台をどう育てるか。

来月は、この「読み書きの獲得」について、
順を追ってお話していきます。

焦らなくて大丈夫。

でも、気づいておくことは大切。

その一歩を、今日から一緒に始めましょう。