「4歳になったのに、言葉があまり増えない」
「お友だちはおしゃべりなのに、うちの子は単語ばかりで会話にならない」
そんな不安を抱えながら、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
4歳という年齢は、周囲との違いが目に入りやすく、心配が一気に大きくなりやすい時期です。
でもまずお伝えしたいのは、“4歳=必ずたくさん話せる”というわけではないということ。
言葉の伸び方には、大きな個人差があります。
この記事では、
- 4歳で言葉が増えないときに考えられる原因
- すぐに「障害」と決めつけなくていい理由
- 今日から家庭でできる関わり方
を、専門用語をかみ砕きながらお伝えします。
目次
4歳で言葉が増えない…どんな状態を指す?
「言葉が増えない」と感じる背景には、いくつかのパターンがあります。
たとえば
- 単語は出るが、2語文・3語文にならない
- 要求は身振りや指さしで伝えることが多い
- 質問にうまく答えられない
- 自分から話しかけることが少ない
これらが見られると、「やっぱり遅いのでは…」と心配になりますよね。
ただし、話す量が少ない=理解していないとは限りません。
実際には、言葉を“ためている途中”の子も多くいます。
考えられる主な原因
① 言葉の発達ペースの個人差
言葉は、運動発達や性格、環境の影響を大きく受けます。
慎重で観察型の子は、「わかってから話す」ため、表に出るのが遅くなりがちです。
② インプット(聞く・理解する力)が中心の時期
話す前に、たくさん聞いて理解する時期が必要な子もいます。
この場合、ある時期を境に一気に言葉が増えることも珍しくありません。
③ 音や言葉への感覚の育ちにくさ
専門的には「言語処理」や「聴覚処理」と呼ばれる部分です。
簡単に言うと、聞いた言葉をうまく整理するのが少し苦手な状態です。
④ 発達特性が関係している場合
発達障害(ASD・ADHDなど)が背景にあることもありますが、
4歳で言葉が少ない=必ず発達障害ではありません。
大切なのは、「ラベルを貼ること」ではなく、
その子に合った関わり方を見つけることです。
家庭でできる関わり方①「話させよう」としすぎない
「ちゃんと言って」
「ママって言ってごらん」
この声かけ、ついやってしまいがちですが、
言葉が出にくい子にはプレッシャーになることがあります。
代わりにおすすめなのは、
大人が“実況中継”のように言葉を添えること。
例:
- 「ジュース飲んでるね。冷たいね」
- 「車、赤だね。ブーンって走ってるね」
子どもは、安心できる中で聞いた言葉を、少しずつ自分の中にためていきます。
家庭でできる関わり方② 子どもの言葉を“少しだけ”広げる
もし子どもが
「りんご」と言ったら、
「赤いりんごだね」と1語足す。
「ブーブー」なら
「ブーブー、走ってるね」
無理に長い文章にしなくて大丈夫です。
“今の言葉+1”が、いちばん吸収されやすい関わり方です。
家庭でできる関わり方③ 遊びの中で言葉を使う
机に向かって教える必要はありません。
むしろ、遊びの中こそ言葉は育ちます。
- ごっこ遊び
- 絵本の読み聞かせ(最後まで読まなくてOK)
- 一緒に料理・片づけをしながら声かけ
「遊び+安心感+繰り返し」
これが、言葉を増やす一番の土台です。
専門機関に相談する目安
次のような場合は、一度相談してみてもよいでしょう。
- 言葉だけでなく、理解面も気になる
- 4歳半を過ぎても2語文がほとんど出ない
- コミュニケーション自体が成り立ちにくい
相談することは、「診断をつけるため」ではなく、
「関わり方のヒントをもらうため」です。
最後に:一番大切なこと
言葉が増えないと、
「育て方が悪かったのでは」
「もっと何かしてあげるべきだったのでは」
と、自分を責めてしまう保護者の方がとても多いです。
でも、言葉の育ちは親の努力不足で決まるものではありません。
今、お子さんは
自分のペースで、ちゃんと育っている途中です。
焦らず、比べず、
「今できていること」に目を向けながら、
その子に合った関わりを積み重ねていきましょう。
必要なときは、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
もし今、ひとりで悩み続けているなら、
「こんなことで相談していいのかな?」と思わなくて大丈夫です。
お子さんの今の状態を整理するだけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。

