「同じ年の子はもうおしゃべりしているのに、うちの子はまだ…」
子どもの言葉の発達は、周りと比べれば比べるほど不安になりやすいものです。
特に初めての子育てでは、“遅れているのでは?”という気持ちが頭から離れなくなることもありますよね。
でも実は、言葉の発達にはとても大きな個人差があります。
このページでは、
- 年齢別の言葉の発達の目安
- 心配しすぎなくていいサイン
- 少し立ち止まって考えたいポイント
を、専門用語をできるだけ使わずにお伝えします。
目次
1歳〜1歳半|「言葉が出ない」はよくあること
この時期の目安
- 喃語(なんご)をよく話す
- 「まんま」「ぶーぶ」など意味のある音が出始めることがある
- 大人の声や表情に反応する
この時期にはっきりした言葉が出ていなくても、心配はいりません。
言葉は、
聞く → ためる → 使う
という順番で育ちます。
まだ「ためている途中」の子もたくさんいます。
心配しすぎなくていいサイン
- 名前を呼ぶと振り向く
- 指さしや視線で伝えようとする
- 大人の真似をしようとする
これらが見られれば、言葉の土台は育っています。
2歳ごろ|言葉の差が一気に広がる時期
この時期の目安
この時期は
- 単語が10〜50語ほど出てくる
- 「ママ きた」「わんわん いた」など二語文が出始める子もいる
と言われています。
一方で、
単語が数個しか出ていない子
ほとんど話さない子
も珍しくありません。
よくある誤解
2歳で話さない=発達障害?
これはイコールではありません。
理解はできているけれど、
- 話すことに慎重
- 自分のタイミングを待っている
というタイプの子も多いのです。
心配しすぎなくていいサイン
- 簡単な指示が通る(「取ってきて」など)
- 絵本やテレビを見て反応する
- 表情や行動で気持ちを伝えられる
3歳ごろ|「話さない」より「伝わるか」を見る
この時期の目安
- 二語文〜三語文が増える
- 簡単な会話のやりとりができる
ただし、
- 発音が不明瞭
- 文が短い
- 言い間違いが多い
といったことはよくあります。
大切な視点
「きれいに話せるか」よりも、
“伝えようとしているか”を見てみてください。
心配しすぎなくていいサイン
- 自分の気持ちを伝えようとする
- 質問にうなずきや首振りで答える
- 遊びの中で言葉が増えている
4歳ごろ|周りと比べて不安になりやすい時期
この時期の目安
- 会話がだいぶ成り立つ
- 語彙が増え、説明しようとする
それでも、
- 緊張すると話せない
- 家では話すが外では静か
- 言葉が出るまで時間がかかる
という子もいます。
心配しすぎなくていいサイン
- 家族とはやりとりできている
- 理解力は年齢相応
- 遊びや生活に大きな困りがない
「様子見」でいいケース・相談を考えたいケース
様子見でいいことが多いケース
- 理解はできている
- コミュニケーションを取ろうとしている
- 少しずつでも変化が見られる
一度相談してもいいサイン
- 呼びかけへの反応が弱い
- 指示がほとんど通らない
- 伝えたい気持ちが見えにくい
「相談=診断」ではありません。
不安を整理するために話を聞いてもらう、という使い方もあります。
家庭でできる関わりのポイント
- 無理に言わせない
- 言えた言葉をそのまま受け止める
- 大人が少しだけ言葉を足して返す
例:
子「わんわん」
大人「わんわん、いたね」
直さず・増やしすぎずがコツです。
まとめ|「遅いかどうか」より「育っているか」
言葉の発達で大切なのは、
- 周りと同じかどうか
ではなく - その子なりに積み重なっているか
という視点です。
不安になるほど、真剣にお子さんと向き合っている証拠。
ひとりで抱え込まず、必要なときには誰かに頼ってくださいね。
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「分かっているのに話さない」背景と、様子見でよいケースを詳しく解説しています。
もし今、不安が強い場合は
「相談していいのか迷うときの目安」も参考にしてください。
相談=診断ではありません。気持ちを整理するための一歩として使えます。
ひとりで悩み続ける必要はありません。
必要なときに、必要な形で頼れる場所があることを知っておいてください。

