言葉を増やすためにやってはいけない声かけ・やったほうがいい声かけ

ことばの発達

 

 「毎日話しかけているのに、全然言葉が増えない…」

「こんなに声をかけているのに、どうして話してくれないんだろう」
「私の関わり方が悪いのかな…」

そんなふうに、自分を責めてしまっていませんか?

 

実は、言葉を増やそうとして“良かれと思ってやっている声かけ”が

逆に言葉の伸びを止めてしまうことがあります。

これは親の努力不足ではなく

声かけの“方向”が少しズレているだけのことがほとんどです。

この記事では

  • 言葉を増やすためにやってはいけない声かけ(NG例)
  • 今日から変えられるやったほうがいい声かけ
    を、専門的すぎない言葉でお伝えします。


 

 

まず知っておいてほしいこと|言葉は「教えて増える」ものではない

 

 
言葉は、
「正しく言わせる」
「たくさん練習させる」
ことで増えるものではありません。

子どもが

  • 聞いて分かる
  • 伝わった経験を積む
  • 安心して声を出せる

この土台があって、はじめて言葉は自然に増えていきます。


 


 

 

言葉を増やすために「やってはいけない声かけ」3つ

NG①「ちゃんと言って」「もう一回言って」



一番よく見られる声かけです。

一見、練習になりそうですが

  • うまく言えない
  • 何が正解か分からない

子どもにとっては失敗体験になりやすく、
「話すのやめよう」と気持ちが引いてしまうことがあります。

特に

  • 発音が未熟
  • 言葉が出始めたばかり
    の時期には逆効果になりやすい声かけです。

 

 


 

NG②「〇〇でしょ?」「〇〇って言うんだよ」


答えを先に与える声かけも注意が必要です。

大人が正解を言いすぎると

  • 子どもは考える必要がなくなる
  • 聞いて終わりになる

結果として、自分から言葉を出す経験が減ってしまいます。


 


 

 

NG③「まだしゃべらないの?」「〇〇ちゃんは言えるのに」

 

 

比較の声かけは、言葉の発達にとって大きなブレーキになります。


子どもは

  • 劣等感
  • 不安
  • 緊張

を感じると、声を出すこと自体を避けるようになります。

 


 

 

言葉を増やすために「やったほうがいい声かけ」4つ

① 子どもの行動をそのまま言葉にする

 


子どもが話さなくてもOKです。

例:

  • 「ブーブー、走ってるね」
  • 「ジュース、ゴクゴクだね」

言わせる必要はありません。

「言葉と体験を結びつける」ことが目的です。

 


 
 

② 子どもの言葉を“少しだけ”広げる



もし子どもが
「ワンワン」と言ったら

→「ワンワン、いたね」
→「ワンワン、歩いてるね」

 

訂正しない・増やしすぎないのがポイントです。

 


 


 

 

③ 「通じたよ」をしっかり伝える



言葉が不完全でも

  • 指さし
  • 擬音
  • 表情

で伝えようとしたら
「わかったよ」「教えてくれてありがとう」と反応します。

「伝わった」という経験が、
次の言葉を出す力になります。

 


 

 

④ 話させようとしない時間をつくる



沈黙=悪いこと、ではありません。

一緒に遊ぶ
一緒に食べる
同じものを見る

言葉がなくても心がつながる時間が、
実は言葉の土台になります。

 


 

 

「声かけを変えても不安が消えない」ときは


ここまで読んで
「やってはいけない声かけ、たくさんやってた…」
と感じた方もいるかもしれません。

でも大丈夫です。


気づいた“今”から変えればいいのです。

ただし

  • 本当に様子見でいいのか
  • 発音や理解のつまずきがないか
  • 家庭での関わり方が合っているか

は、文章だけでは判断が難しい部分もあります。

 
 


 

 

個別相談への流れ

 

 

もし

  • うちの子の場合はどうなんだろう
  • 声かけを具体的に見てほしい
  • 誰かに整理して話を聞いてほしい

そう感じた方は、個別相談をご利用ください。

 

  1. 公式サイトの相談フォームからお申し込み
  2. 事前に簡単なヒアリング(今の困りごと)
  3. オンラインでの個別相談(安心してお話しください)
  4. お子さんの状態に合わせた関わり方の整理と提案



「相談するほどじゃないかも…」と思っている方ほど、

話すだけで気持ちが軽くなることが多いです。

 

 


 

 

まとめ


言葉を増やすために大切なのは

  • 正しく言わせること
  • たくさん練習させること

ではありません。

安心して伝えようとできる関係をつくること。
そのために、声かけをほんの少し変えてみてください。



ここまで読んで、
・年齢的な見通しが知りたい
・発達との関係が気になる
・発音や言い間違いも不安
と感じた方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
子どもの言葉が遅い?年齢別の目安と心配しすぎなくていいサイン
2歳・3歳で言葉が出ないのは発達障害?専門家がやさしく解説
言い間違いはいつまで様子見?年齢別に見る発音の発達段階


ひとりで抱えなくて大丈夫です。話すだけでもOKです。