言い間違いはいつまで様子見?年齢別に見る発音の発達段階

はじめに|「この言い方、直したほうがいい?」と迷ったら



「さかな」が「たかな」になる
「くるま」が「ちゅるま」になる


こうした言い間違い(発音の未熟さ)は、多くの保護者が一度は気になるポイントです。



でも実は、年齢によっては“よくある発達の途中であることも少なくありません。

この記事では、

  • 年齢別に見た発音の発達段階
  • 様子見でいいケース・相談したほうがいいケース
  • 家庭でできる関わり方

 

を、専門用語をかみ砕きながら解説します。


 

 

そもそも「言い間違い」はなぜ起こるの?

 


発音の言い間違いは、次のような理由で起こります。

 

  • 口・舌・唇を細かく動かす力がまだ発達途中
  • 音の聞き分け(音韻認識)が育っている途中
  • 頭の中では分かっているけれど、口が追いつかない

つまり多くの場合、「分からない」のではなく「まだできないだけ」なのです。





 

 

【年齢別】発音の発達段階とよくある言い間違い

2〜3歳ごろ|言い間違いがあって当たり前の時期



この時期は、発音が不安定なのが自然です。

よくある例

  • さ行 → た行(さかな→たかな)
  • か行 → た行(かさ→たさ)
  • 音の抜け(りんご→んご)

様子見でOKなことがほとんどです。

この段階で無理に直させる必要はありません。

 


 

 

4歳ごろ|少しずつ聞き取りやすくなる時期

 

 

4歳になると、

  • 知らない人にも伝わる言葉が増える
  • ただし一部の音はまだ苦手

という状態が多くなります。

 

ただし、

  • ほとんどの音が別の音に置き換わる
  • 家族でも聞き取るのが難しい

場合は、少し注意深く見ていきましょう。




 

 

5〜6歳ごろ|発音が整ってくる目安の時期



5〜6歳になると、

  • 多くの音が正しく発音できる
  • 会話がスムーズになる

子が増えてきます。

この年齢で、

  • 特定の音(さ行・ら行など)が安定しない
  • 言い間違いがほとんど改善しない

場合は、一度専門家に相談するタイミングと考えてもよいでしょう。

 

 

相談と言われても、どこに相談すればいい?と不安になったら
言葉の発達はどこに相談する?こちらを参考にしてください。



 

 

様子見でいい?相談したほうがいい?判断のヒント

様子見でよいことが多いケース


  • 年齢相応の言い間違い
  • ゆっくりだが少しずつ改善している
  • 言葉の理解ややりとりは問題ない

 

 

相談を検討してもよいケース

 

 

  • 年齢が上がっても変化が少ない
  • 特定の音だけでなく全体的に不明瞭
  • 本人が「伝わらない」ことで困っている

 

「発達障害なのでは?」と不安な場合は、
「2歳・3歳で言葉が出ないのは発達障害?専門家がやさしく解説」
も参考になります。


 


 

 

家庭でできる関わり方|“直させない”が基本



発音の言い間違いに対して、家庭で大切なのは次の姿勢です。

 

×「違うでしょ、◯◯でしょ?」

 

 

言い直しを強要すると、
話すこと自体が嫌になってしまうことがあります。

 

◎ 正しい言葉を“さりげなく聞かせる”


子「たかな いたよ」
大人「ほんとだ、さかながいたね」

訂正ではなく、お手本を示すことがポイントです。


 

 

まとめ|言い間違いは「成長の途中」であることが多い

 

 

  • 言い間違いは多くの場合、発達の途中で起こる
  • 年齢ごとの目安を知ることで、過度な不安は減らせる
  • 気になるときは、早めに相談してもOK

 

 

「様子見していいのか分からない」
その迷い自体が、子どもを大切に見ている証拠です。

 

不安を抱え込まず、正しい情報を味方につけていきましょう。