目次
「ちゃんと言ってごらん」が言えなくなった日
「もう一回、正しく言ってみて」
そう声をかけた瞬間、子どもが黙り込んでしまったことはありませんか。
発音が気になる。
このままで大丈夫なのか不安。
間違いを直してあげたいのは、親としてとても自然な気持ちです。
でも同時に、
「言い直させるのは良くないって聞いたことがある…」
そんな迷いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- なぜ「言い直させない方がいい」と言われるのか
- 家庭でできる正しい発音への関わり方
- 今日から変えられる具体的な声かけ
を、専門的すぎない言葉でお伝えします。
なぜ「言い直させる」と発音が良くならないことがあるの?
発音の未熟さは、怠けや甘えではありません。
多くの場合、次のような理由が関係しています。
- 舌や唇をうまく動かす感覚がまだ育っていない
- 自分の発音のズレに気づけていない
- 頭ではわかっていても、体が追いつかない
この状態で
「違う」「もう一回」「ちゃんと」
と言われ続けると、子どもはこう感じます。
「話す=間違えると怒られる」
結果として、
✔ 話さなくなる
✔ 小さな声になる
✔ 発音以前に“話す意欲”が下がる
という悪循環に入りやすくなるのです。
じゃあ、本当に「何もしなくていい」の?
答えは NO です。
「言い直させない」=「放っておく」ではありません。
大切なのは、“直させる”ではなく“整える”関わり。
NGな関わり
- 「ちがうでしょ」
- 「もう一回言って」
- 「◯◯って言うんだよ!」
OKな関わり(正しいモデル提示)
子ども:「たべたの、たまごー」
大人:「そっか、たまご食べたんだね。おいしかった?」
✔ 言い直しを求めない
✔ 正しい発音をさりげなく聞かせる
✔ 会話は止めない
この積み重ねが、発音の土台を作ります。
▶「言葉を増やすためにやってはいけない声かけ・やったほうがいい声かけ」
家庭でできる「発音を育てる」3つの視点
① 口の動きを“見る”機会を増やす
- 横並びより、向かい合って話す
- ゆっくり・はっきり話す
② 音より「意味のやりとり」を優先する
発音より先に、
「伝わった」「分かってもらえた」
という安心感が必要です。
③ 比べない・急がせない
兄弟、同年代、SNS…。
比べれば不安は大きくなるばかり。
発音の育ちは一直線ではありません。
▶言い間違いはいつまで様子見?年齢別に見る発音の発達段階
それでも不安が消えないあなたへ
ここまで読んで、
- 頭ではわかったけど、これで合っているのか不安
- うちの子の場合はどうなんだろう
- 自分の関わりが間違っていないか確認したい
そう感じた方もいるかもしれません。
発音やことばの悩みは、
ネットの情報だけでは判断が難しいものです。
個別相談のご案内
もし、
「このまま様子見でいいのか」
「家庭での関わりを具体的に知りたい」
と思われたら、個別相談という選択肢もあります。
- お申し込みフォームからご連絡
- 簡単な事前ヒアリング(年齢・困りごと)
- オンラインでの個別相談
- お子さんに合った関わり方・声かけを具体的にご提案
無理に指導を勧めることはありません。
「今、何を大切にすればいいか」を一緒に整理する時間です。
記事では一般的な目安や考え方をお伝えできますが
実際には
- お子さんの年齢
- 話し方の癖
- ご家庭での関わり
によって、必要な視点は大きく変わります。
同じ「言い間違い」でも、
今は見守っていい場合と
関わり方を少し変えた方がいい場合があります。
それを見分けるのは、
正直に言うと、文章だけでは難しいのです。
無理に指導をすすめることはありません

